AGA治療以外にも美容皮膚科でも活用されている成長因子

男性型脱毛症(AGA)の治療法において、毛髪再生の可能性が非常に高いとして注目されている治療法に、グロースファクターと呼ばれる成長因子を利用した「AGAメソセラピー」がありますが、この最先端治療法の大きな特徴は、薄毛の大きな原因となっている成長因子の不足を補うことで優れた発毛効果を発揮するという点にあります。
この因子を使用した再生療法は、AGAのみならず美容皮膚科においても肌再生に利用されていますが、そもそもこの成長因子とは一体どういったもので、どのように私達の体内で働くのでしょうか?

そもそもこの成長因子とは、動物の体内で特定の細胞の増殖や分化に関わり、それを促進させて働きを活発にさせる内因性のタンパク質の総称で、場合によって増殖因子、細胞増殖因子などと呼ばれることもありますが、どれも同一の因子を指しています。
体内において様々な過程の調節作用で働くことが分かっていますが、研究が進んだ現在ではこの増殖因子は細胞と細胞の間でのシグナル伝達物質としても働くことが分かっており、この作用を活用したAGA治療法がグロースファクター再生療法であり、美容皮膚科では「肌再生FGF注入療法」として活用されています。

FGFとは、Fibroblast Growth Factorの略で「線維芽細胞増殖因子」と呼ばれるタンパク質の一種であり、線維芽細胞(結合組織を構成する細胞でありコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸などの真皮成分を作りだす細胞)そのものを増殖させる働きをして組織再生を行う細胞で、この増殖因子を肌組織に活用することによって、しわ・たるみ・くぼみなどに特化してアンチエイジングが行えるほか、気になるほうれい線や目元にできやすいしわ・たるみ・くぼみなどにも高い効果を発揮することが分かっています。

FGFの大きな特徴は、①繊維芽細胞増殖因子を配合した製剤を直接肌への注入するため、自己組織の培養や遠心分離の作業工程において、他の治療法に比べて人的なミスや感染症などのリスクがなくなること、②自己組織を再生させるので、肌効果を実感できる期間が非常に長くなること、③しわ・たるみ・くぼみの他に目の下のクマにも効果を発揮する、④手術しか手段なかったしわやたるみでも改善させることが可能、⑤治療では超微細な針を使用するため肌に負担を掛けにくく、ダウンタイムも短いので早期に普段の生活に戻れる、などがあります。

美容皮膚科での肌改善治療では、よくヒアルロン酸注射による治療が行われますが、この治療法との違いは、肌の気になる部分にヒアルロン酸を注射することで、くぼみができた部分が内部からヒアルロン酸によって押し上げられることによりしわやくぼみを改善させるというもので、施術後は効果を実感できますがヒアルロン酸は徐々に体内に吸収させるという特徴があるため、時間が経過すると施術前に戻ってしまいます。

一方、FGFは製剤を注入することで線維芽細胞が増殖因子によって増えていき、血管が新生して上皮化が活発になり、自ら生成した皮膚組織は体内に吸収させることはなく、その後コラーゲンに置き換えられるため、しわやたるみ、くぼみが改善された若々しい肌へと生まれ変わるのです。

AGA治療には5種類の成長因子が利用され、優れた発毛効果を発揮していますが、その中の一つの因子を肌再生に活用することで、線維芽細胞を増殖させて肌を若々しく改善させる効果があり、他の治療法とは比べ物にならないほどの効果を実感できると共に、その効果をより長く維持させることができる再生療法の最先端治療法とも言えます。再生された組織は、どれも質が良く活発な自己組織ですので、効果的にコラーゲンやエラスチンなどの肌再生に有効な成分を作りだしてくれます。

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