AGAは、日本語では男性型脱毛症と呼ばれるもので、成人男性に現れる脱毛症のことを指しています。そもそも人間は年齢とともに頭髪が薄くなり、最終的にはまったく毛が生えてこない状態になる人も多くいますが、このうちまだ頭髪が薄くなるのには早い２０代から６０代までの若年から中年にかけての男性に現れる症状を主に指しています。この症状が現れる原因としては遺伝によるものや男性ホルモンの作用が影響していることがすでにわかっていますが、この症状を放置し続けると将来、まったく毛が生えてこなくなると言われており、早期の治療が大切とされています。
従来のこの症状の治療には、生活習慣病の改善や、運動療法、食事療法や頭皮のケアなどが重視されてきましたが、医学的にその効果が実証されている治療薬が多く登場しています。この治療薬の多くは本来の発毛のために開発されたものではなく副作用として発毛が確認されたものが中心で実績のある薬ばかりで、多くは薬の処方による治療が行われています。
また近年はより効果的な薄毛治療としてHARG療法が登場しています。HARGは「Hair Re-generative theraphy」の頭文字を取ったもので、再生医療の技術を応用したいわゆる再生治療のひとつになります。
そもそも毛は成長期と退行期、休止期の３つのサイクルを繰り返しています。毛が生えてこない理由としては休止期に入った毛根細胞が成長期に移行しないという点で、また薄毛の原因も毛が成長すべき期間が短くなることで発生します。投薬による治療では、このサイクルを正常に戻すことに重点が置かれています。
HARG療法でも同様ですが、従来の発毛が期待できる薬のほか、メソカクテルやAAPEと呼ばれる成長因子を促す薬を投与することで、休止期になっている毛根細胞に再活性化させ発毛を促す仕組みとなっています。メソカクテルは血管拡張薬やビタミンB、コエンザイムQ10などが含まれており、またAAPEは、成長因子となる成分が多く含まれています。AAPEは、健康な成人女性から採取した脂肪幹細胞を培養した細胞から分泌されたタンパク質のことで、PDGF、Basic FGF、KGF、TGF beta1、HGF、VEGF、Clleagen,Fibronectinなど１５０種類以上の成分が含まれています。このメソカクテルとAAPEは発毛を促すだけでなく毛質を改善することも期待できます。